トランプ大統領、英国に「奴隷労働関税」を課す 最高裁で却下されたのにまた同じ手
トランプ米大統領がまたやらかした。今度は英国を含む60カ国に対して、新たな「奴隷労働防止」を名目にした輸入関税を課すと発表。ホワイトハウスは「奴隷労働で生産された商品を取り締まっていない国」に対して課税すると正当化しているが、どうも話は単純じゃない。
問題の発端は、先に米最高裁がトランプ大統領の「解放記念日」と自ら命名した広範囲な関税を違法と判断したこと。これで一旦10%の一時関税が期限切れになったわけだが、その直後に同じ税率(10%)で全く同じような新関税を別の法律を根拠に復活させたのだ。
「我々は関税を課している。ごく標準的な関税だ。別の方法の方が簡単だったが、最高裁の判断は良いものではなかった。でも我々には多くの関税の形がある」とトランプ大統領はホワイトハウスで語った。いやいや、最高裁に否定されたからって別の法律で同じことをやるのは「標準的」なのか?
この動きに対し、法律家グループ「リバティ・ジャスティス・センター」がニューヨークの国際貿易裁判所に異議申し立てを起こした。同団体は過去にもトランプ関税を覆した実績がある。
同団体のサラ・アルブレヒト理事長は「政権は一つのグローバル関税を失効させ、すぐに別の法律のもとで新しいものに置き換えた。法律を変えても法自体は変わらない。関税の権限には限界があり、どの政権もそれを尊重しなければならない」とバッサリ。
さらにシニア弁護士のジェフリー・シュワブ氏は「ホワイトハウスが頼ろうとしている法律の条項は、特定の国や慣行を対象とした限定的な救済権限だ。ほぼ全ての国からのほぼ全ての輸入品にあらかじめ決めた税率を課す自由な許可証ではない」と指摘する。
英国政府としては「関税率に変更はない」(引き続き10%)と冷静を装うが、英国にとって米国は最大の輸出相手国。2024年時点で英国の全輸出の17%にあたる660億ポンドが米国向けだ。昨年合意した経済繁栄協定で影響緩和を図っているが、スコッチウイスキーの関税が撤廃されたのはせめてもの救いか。
トランプ大統領は「奴隷労働」というセンセーショナルなフレーズで関税を正当化しようとしているが、法的にはまたもやグレーゾーン。この茶番、いつまで続くのやら。

今、あなたにオススメ