恋愛は数式で予測できる?「関係の危険水域」を数学が特定
「恋愛に魔法の薬はない。でも、希望を失う必要もない」——そう語るのは、フランス・リヨン第1大学のローラン・ピュジョ=マンジュエ教授。彼は数学を使って、恋愛関係の「危険水域」を計算する方法を研究している。
そもそもの発端は、ウサギの個体数だった。マルサスの人口モデルや捕食者-被食者モデル(カナダのオオヤマネコとノウサギの追跡劇)といった数式が、実はカップルの関係にも応用できるという。さらに「アリー効果」という概念——個体数が一定以下の集団は絶滅し、それを超えると繁栄する——も、恋愛に当てはまるらしい。
「誰と恋に落ちるかを予測しているわけじゃない。問題は、人生の衝撃に耐えて安定するカップルと、静かにすれ違っていくカップルの差だ」とピュジョ=マンジュエ教授は言う。
モデルの核はシンプルだ。どんな関係にも「臨界値」が存在し、それを下回ると数学的に関係は破綻に向かうという。ただし、これを知っていれば「危険ゾーン」を認識し、軌道修正ができる。
ポイントは3つ。
- お互いの惹かれ合う力
- 時間による感情の自然なすり減り
- 相手の感情への反応パターン
これらのバランスで、関係の「回復力」が決まる。
「重要なのは、ケンカをするかどうかじゃない。その後、均衡に戻れるだけの回復力があるかどうか」と教授。
この考えを、彼は『3匹のこぶた』に例える。「人生はいつもオオカミを送り込んでくる。ストレス、病気、仕事、子育て、金銭問題。数学は、わらの家じゃなくレンガの家を建てる手助けをするんだ」
将来的にはAIと組み合わせて、カップル向けの「早期警戒システム」も構想中。「関係のGPSみたいなものさ。今どこにいて、どこに向かっていて、目的地に着くにはどうすればいいか教えてくれる」
ただし、万能ではない。モデルは主に西洋の恋愛パターンに基づいており、文化や宗教、世代の差は考慮しきれていない。人間の行動は本質的に予測不可能で非合理的。数学は傾向を示すだけで、確実性を約束するものではない。
「結局のところ、関係の成功は毎日、つながりを育もうと選び続ける2人の人間にかかっている。方程式は道を示すけど、歩くのは自分たちだ」
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